足元の橋本にご注意ください

144cm、ミクロ女優の闘いの毎日。まだまだ成長期だと本人は言っているので、見守ってやってください。

幸せであってほしいだけなんよ

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バスに乗ってたら
まるで赤子を抱くかのように
膝に乗せた"何か"を
優しく撫でて愛でるおばあちゃん。

よっぽど愛おしい存在が
そこにはいるのかなぁと覗いてみたら

まさかの

【王将】!!

ガッツリ!白いビニール袋に
プリントされいている2文字!

なんでそんなに愛おしそうに
大事そうに抱いてるんだよぉー!

認識した途端になんだか
香ばしい香りがしてきたわ!

しかもチラ見えしてる中身!
おばあちゃんその中身の3段、
全部餃子なのね!

…と、ぼんやり考えてた
その時

「うぅっ…」

おばあちゃんが急に折れ曲がった

餃子の入ったプラスチック容器が
押しつぶされて
パリパリパリっとまた大きな音…

…じゃなくて!

発作!?

慌てて近づいて

「大丈夫ですか!?」

お腹で餃子潰したおばあちゃん
しばらく折れ曲がったまま
小刻みに震えてて
やっと戻ってきて私の方見たら

その目は涙でいっぱい。

え!?!?

勝手にめっちゃ餃子好きなおばあちゃんとか
決めつけて妄想してたから

そんな涙なんて
え!急になんで!って
突然すぎて慌てるわたし

「いけんことしよんよ
でももうこれしかないんよ
叱らるるやろかなぁ

おばあちゃん

ねえ、おばあちゃん

どうしたの
何があったの

だけどわたし何も言えなくて
背中さするしかできなくて

「うんうん」

ってしか言えなくて

「幸せであってほしいんよ」

「うん、うん、」

分からないけど
分からないんだけどさ
この葛藤に踏み込むことができなくて
浅はかな言葉はかけたくなくて

でもいっぱいいっぱいなんだな
きっとこの後はずっと笑っていなくちゃ
いけないところ…
というか
絶対に元気で無敵なおばあちゃんで
いたい場所に行くんだなって思うと…

いま泣いてる横に私がいることが
どうか少しでも意味がありますようにって
背中さするしかできなかった

しばらくして落ち着いてきたおばあちゃん

「幸せであってほしいのね
できることをしたいんよ
ありがとうねぇ決心ついた」

今ならお話聞けるかなって
思ったそのとき

〈プシューーー

○○病院前〜○○病院前〜

「お腹減ってきたぁありがとうねぇ、これお姉ちゃんにね、ほぃな。おおきにね、サイナラぁ」

おばあちゃん去って行った。

誰に食べさせたい餃子なのかな。
誰と食べたい餃子なのかな。
あのあと餃子はどこに行くのかな。

バス停の名前の方向に
勇み足で進んでいく
座っていた時とは別人のような
年齢を感じさせない元気な後ろ姿。

おばあちゃん。
がんばれ。
がんばれ。
王将。

切なさと表現するとネガティブだけど
なんだか不思議な感情を感じながら

あ、そう言えばと。
別れ際に何かくれたなと思って
自分の右手を見るとそこには

〈餃子のタレ〉

うん

うんうん

このユーモア。
このセンス持ってるおばあちゃんだもん
大丈夫、きっと大丈夫だ

うん!!

でも

正直なところ


ワタシ、ツカワナイカナ😌笑


おばあちゃんと
餃子と
それを待ってる誰かに
幸アレ!!!